人の痛みがわかる人

よくすごく大変な経験をしたり、
自身が傷ついた経験があると、
人に優しくできて、人の痛みがわかる人になると
言われることがあります。
確かにそういう場合もあると思いますし、
経験したからこそわかる痛みもあるでしょう。

しかし自分自身がどん底を経験したり
すごく大変な思いをしていなくても、
人の痛みがわかる人はいると感じています。

人の痛みがわかる人というのは、
相手の気持ちや相手の状態、相手のことを感じる力のこと。
すなわち、自分自身の心にゆとりややわらかさがないと
感じられない。

相手が苦しんでいても、悩んでいても、
その気持ちを受け止めつつも、
その相手の苦しみや悩みだけではなく、
可能性や輝きを見つめられる心の健全さが必要だと
私は感じています。

たくさんの愛情で育まれたり、
人の輝きや可能性の側面をたくさん見てきた方も
これまた人の痛みを感じることができる人だと
私は思うのです。

そして、それでも、人はミステリアス。
痛みを「わかった気にならない」ということが
もっとも大切かも知れない。
自分の世界に入れて、わかった気にならないこと。

痛みを感じているのは相手であることから
離れずに、ともにいることが、支援者には求められます。

人の痛みがわかる人とは、
そういう人なのだと思い、
私自身も日々精進しています。

安易に「わかるわかる、その気持ち!」
ということにはなかなかなれないくらい、
悩みや痛みの当事者は相手。

だからこそその中にも可能性や輝きを見出せる
パートナーとして支援したい。
ニュートラルな立場で共にいられる
カウンセラーでありたいと思っています。

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